スクリーンショットタイマー

Step1. 【VC++】ウィンドウの一覧を取得してリスト作成

アプリ画面上にあるコンボボックス（ドロップダウン式のリストボックス）に あらかじめ起動しているアプリのウィンドウのリストを設定して、 キャプチャするウィンドウ（MineCraft）を選択できるようにします。

ウィンドウの一覧を取得：

起動しているウィンドウの一覧を取得するには、EnumWindows()という関数を使います。
EnumWindows()の引数に、作成するアプリ側で定義したコールバック関数を渡すことによって、 取得したウィンドウ情報がコールバックされます。

コールバック関数は、以下のようにグローバル関数として定義します。
この中で、ウィンドウハンドルのリストを取得。

// EnumWindows()のコールバックを定義
#define MAX_NUM_ENUMWND  100     // 列挙するウィンドウの最大数
HWND g_hwnd[MAX_NUM_ENUMWND];    // 格納する配列変数
int  g_cnt = 0;                  // カウンタ
BOOL CALLBACK EnumWindowsProc(HWND hwnd, LPARAM lParam)
{
	// ウィンドウが可視でなければリターン
	if (IsWindowVisible(hwnd) == FALSE)	return TRUE;
	// 最大数を超えた場合は列挙を終了させる
	if (g_cnt >= MAX_NUM_ENUMWND)	return FALSE;
	// 配列変数に格納
	g_hwnd[g_cnt] = hwnd;
	g_cnt++;

	return TRUE;
}
			

そして、ダイアログが生成されたタイミングで、EnumWindows()を呼び出す。

int CScrennshotTimerDlg::OnCreate(LPCREATESTRUCT lpCreateStruct)
{
	if (CDialogEx::OnCreate(lpCreateStruct) == -1)
		return -1;

	// TODO: ここに特定な作成コードを追加してください。

	// ウィンドウを列挙する
	EnumWindows(EnumWindowsProc, 0);

	return 0;
}
			

ウィンドウの一覧をコンボボックスに設定：

そして、ダイアログボックスの初期化処理InitDialog()の中で、 ウィンドウハンドルから取得したウィンドウタイトルを コンボボックスに設定していきます。
ここで、右クリックメニューから、コンボボックスのメンバ変数「m_ComboBoxWnd」として定義しておくこと。

BOOL CScrennshotTimerDlg::OnInitDialog()
{
	CDialogEx::OnInitDialog();

		：
		：

	// TODO: 初期化をここに追加します。

	// ウィンドウを列挙する
	int id = -1;
	for (g_cnt = 0; g_cnt < MAX_NUM_ENUMWND; g_cnt++) {
		// ウィンドウタイトルがない場合は追加しない
		TCHAR strWindowText[1024];
		::GetWindowText(g_hwnd[g_cnt], strWindowText, 1024);
		if (strWindowText[0] == 0) continue;

		// コンボボックスに文字列を追加。
		id = m_ComboBoxWnd.AddString(strWindowText);
		// コンボボックスのidとHWNDを紐づけ
		g_hwnd_cb[id] = g_hwnd[g_cnt];

	}
}
			

コンボボックスのインデックスと、ウィンドウハンドルの配列の添え字を合わせるために コンボボックスに追加したウィンドウのハンドルのみの配列を別途準備しています。

Step2. 【VC++】タイマーをセットして選択したウィンドウをキャプチャ

選択したウィンドウの画像を取得する方法が分からなかったので、 デスクトップ全体の画像を取得して、その中から選択したウィンドウ部分を抽出しています。

3秒タイマーの開始と終了：

「開始」ボタンで3秒タイマーをセットし、「停止」ボタンでタイマーを解除します。
それぞれのボタンのイベントハンドラを追加して、以下のように記述します。

void CAboutDlg::OnBnClickedButtonStart()
{
	// TODO: ここにコントロール通知ハンドラー コードを追加します。
	SetTimer(1, 3000, NULL);
}


void CAboutDlg::OnBnClickedButtonStop()
{
	// TODO: ここにコントロール通知ハンドラー コードを追加します。
	KillTimer(1);
}	
			

指定したウィンドウの画面を取得：

次に、タイマーハンドラ OnTimer()の中で、選択したウィンドウの画面をキャプチャ。
ここでは、メモリコンテキスト上に画像を展開しています。

void CScrennshotTimerDlg::OnTimer(UINT_PTR nIDEvent)
{
	// TODO: ここにメッセージ ハンドラー コードを追加するか、既定の処理を呼び出します。

	// コンボボックスで選択されているインデックス
	int cursel = m_ComboBoxWnd.GetCurSel();

	// 確認
	TCHAR strWindowText[1024];
	::GetWindowText(g_hwnd_cb[cursel], strWindowText, 1024);

	// 選択したウィンドウハンドルの領域
	::GetWindowRect(g_hwnd_cb[cursel], &rc);
	width = rc.right-rc.left;
	height = rc.bottom-rc.top;

	//スクリーンのサイズに合わせてビットマップを作成

	//DIBの情報を設定する
	bmpInfo.bmiHeader.biSize = sizeof(BITMAPINFOHEADER);
	bmpInfo.bmiHeader.biWidth = width;
	bmpInfo.bmiHeader.biHeight = height;
	bmpInfo.bmiHeader.biPlanes = 1;
	bmpInfo.bmiHeader.biBitCount = 24;
	bmpInfo.bmiHeader.biCompression = BI_RGB;

	//DIBSection作成
	hdc = ::GetDC(m_hWnd);	//描画先のウィンドウハンドル
	hBitmap = ::CreateDIBSection(hdc, &bmpInfo, DIB_RGB_COLORS, (void**)&lpPixel, NULL, 0);
	hMemDC = ::CreateCompatibleDC(hdc);
	::SelectObject(hMemDC, hBitmap);
	::ReleaseDC(m_hWnd, hdc);
	
	//選択したウィンドウ画面の範囲ををDIBSectionにコピー
	hdc = ::GetDC(NULL);
	::BitBlt(hMemDC, 0, 0, width, height, hdc, rc.left, rc.top, SRCCOPY);
	::ReleaseDC(NULL, hdc);

	// 画面を更新
	InvalidateRect(NULL, TRUE);

	CDialogEx::OnTimer(nIDEvent);
}
			

取得した画像をスクショアプリ上に表示

OnTimer()の処理で、画面キャプチャをした後に、InvalidateRect()を呼び出して アプリ画面の更新を行っています。
これにより、OnPaint()が実行されますので、タイマー処理でメモリ上に展開した画像を 今度はアプリ画面上に、サイズを合わせて転送します。

void CScrennshotTimerDlg::OnPaint()
{
	CPaintDC dc(this); // 描画のデバイス コンテキスト

	if (IsIconic())
	{

		：
		：
		// アイコンの描画
		dc.DrawIcon(x, y, m_hIcon);
	}
	else
	{

		CDialogEx::OnPaint();

		//標示画面へリサイズして転送（横長の画面なので、幅に合わせて高さを調整）
		if (width == 0 || height == 0) return;
		::StretchBlt(dc, DISP_LEFT, DISP_TOP, DISP_WIDTH, DISP_WIDTH*height/width, hMemDC, 0, 0, width, height, SRCCOPY);
		// 描画したらリソース開放
		DeleteDC(hMemDC);
		DeleteObject(hBitmap);  //BMPを削除した時、lpPixelも自動的に解放される
	}
}
			

Step3. 【VC++】ユーザー定義のメッセージを追加して、画像をファイルに保存

必要な処理ではないが、あえてユーザー定義のメッセージハンドラを追加する方法を 説明するために、取得した画像のファイル保存をユーザー定義メッセージハンドラで行います。

ユーザーメッセージの定義と、メッセージハンドラの追加

ScreenshotTimer.h：
メッセージIDのdefineと、メッセージハンドラの宣言を行います。

// ユーザーメッセージIDの定義（WM_APP(0x8000)～0xBFFFFで定義）
#define WM_APP_SAVECAPTURE	(WM_APP + 1)

// CScrennshotTimerDlg ダイアログ
class CScrennshotTimerDlg : public CDialogEx
{
	：
	：

	DECLARE_MESSAGE_MAP()
public:
	afx_msg int OnCreate(LPCREATESTRUCT lpCreateStruct);
	：
	：
	// ユーザー定義メッセージハンドラ
	afx_msg LRESULT OnSaveCapture(WPARAM wParam, LPARAM lParam);

};
			

ScreenshotTimer.cpp：
メッセージIDeとメッセージハンドラ関数の関連付けとメッセージハンドラの実装を行います。

BEGIN_MESSAGE_MAP(CScrennshotTimerDlg, CDialogEx)
	：
	：
	// ユーザー定義メッセージ
	ON_MESSAGE(WM_APP_SAVECAPTURE, &CScrennshotTimerDlg::OnSaveCapture)
END_MESSAGE_MAP()


LRESULT CScrennshotTimerDlg::OnSaveCapture(WPARAM wParam, LPARAM lParam)
{
	CImage image;
	CString name;

	//保存用フォルダを作成
	_mkdir("./capture");

	//作成したフォルダに保存
	name.Format(_T("./capture/%02d.bmp"), wParam);
	image.Attach(hBitmap);
	int ret = image.Save(name, Gdiplus::ImageFormatBMP);

	return 0;
}
			

追加したメッセージハンドラの中では、取得した画像をファイル保存しています。
画像ファイルの保存場所は、exeファイルと同じ場所に生成される"capture"フォルダ内に格納されます。
※ あとで気づきましたが、クラスウィザードを使えば、「カスタムメッセージの追加」というボタンがあるので、 自動でユーザー定義のメッセージハンドラを追加出来るみたいです。。。

そして、あとはこのメッセージハンドラが実行されるように、画像を取得したら（Ontimer()の中で） 以下のようにPostmessage()します。

	// 画像保存のためのメッセージを送信
	img_no++;	// 保存番号
	if (img_no > MAX_CAPUTURE)	img_no = 0;	// 最大数を超えたらリセット
	PostMessage(WM_APP_SAVECAPTURE, img_no, 0);
			

保存する画像ファイルは10個まで。
それを超えたら、古い画像から上書き保存するようになっています。

Step4. 【VC++】スピンコントロールで画像を切り替えて、拡大表示。

タイマーがストップした後、取得した10枚の画像をスピンコントロールで 切り替えることが出来るようにします
また、表示している画像をダブルクリックすることで、画像を規定アプリで開きます。
（表示される画像が小さくて、肝心の座標が表示されないので。。。）

スピンコントロールのメッセージハンドラを追加して画像切り替え

VSのダイアログエディタで、スピンコントロールをダブルクリックすると 自動的にコントロールを押した時に動作するハンドラが追加されます。
そこに、画像を切り替える処理を追加します。

void CScrennshotTimerDlg::OnDeltaposSpin1(NMHDR* pNMHDR, LRESULT* pResult)
{
	LPNMUPDOWN pNMUpDown = reinterpret_cast(pNMHDR);
	// TODO: ここにコントロール通知ハンドラー コードを追加します。
	// 標示中の画像が未確定（タイマー動作中）は何も処理しない。
	if (sel_no == 0)	return;

	if(pNMUpDown->iDelta > 0)	// ←が押された時
	{
		// 前の画像番号にする
		sel_no--;
		// 画像番号が１までもどったら次は最大番号
		if (sel_no < 1)	sel_no = MAX_CAPUTURE;
		//最初に標示されていた番号より戻ることはない
		if (sel_no == img_no)
		{
			AfxMessageBox(_T("これ以上戻れません"), MB_OK | MB_ICONINFORMATION);
			sel_no++;
			// 画像番号が最大番号を超えたら１に
			if (sel_no > MAX_CAPUTURE)	sel_no = 1;
			return;
		}
	}
	else if (pNMUpDown->iDelta < 0)	// →が押された時
	{
		//最初に標示されていた番号より進むことはない
		if (sel_no == img_no)
		{
			AfxMessageBox(_T("これ以上進めません"), MB_OK | MB_ICONINFORMATION);
			return;
		}
		// 先の画像番号にする
		sel_no++;
		// 画像番号が最大番号を超えたら１に
		if (sel_no > MAX_CAPUTURE)	sel_no = 1;
	}
	else
	{
		return;
	}


	// 画像ファイルを画面状に標示
	CString name;
	name.Format(_T("./capture/%02d.bmp"), sel_no);
	hBitmap = (HBITMAP)LoadImage(AfxGetInstanceHandle(), name, IMAGE_BITMAP, 0, 0, LR_LOADFROMFILE);

	hdc = ::GetDC(m_hWnd);	//描画先のウィンドウハンドル
	hMemDC = ::CreateCompatibleDC(hdc);
	::SelectObject(hMemDC, hBitmap);
	::ReleaseDC(m_hWnd, hdc);

	// 画面を更新
	InvalidateRect(NULL, TRUE);


	*pResult = 0;
}
			

タイマー動作中は、スピンコントロールを押しても何も動作しません。
その他にも色々とガード処理を入れているので、少々複雑になっていますが・・・
スピンコントロールを押すと、それに応じた番号のファイルから画像を読み込み、 メモリ上に画像を展開。
あとは、Invalidaterect()を呼び出し、画面上に画像表示します。

画像エリアをダブルクリックして、画像を規定アプリで開く

ダイアログウィンドウのダブルクリックイベントのハンドラを追加。



上図のように、クラスウィザードから”WM_LBUTTONDBCLK”メッセージハンドラを追加できます。

void CScrennshotTimerDlg::OnLButtonDblClk(UINT nFlags, CPoint point)
{
	// TODO: ここにメッセージ ハンドラー コードを追加するか、既定の処理を呼び出します。
	// 標示画像が未確定の場合は何もしない。
	if (sel_no == 0) return;

	//クリック位置が画像エリア内かどうか
	if (point.x >= DISP_LEFT && point.x <= DISP_LEFT + DISP_WIDTH
		&& point.y >= DISP_TOP && point.y <= DISP_TOP + DISP_WIDTH * height / width)
	{
		 
		// 画像ファイルを画面状に標示
		CString name;
		name.Format(_T("%02d.bmp"), sel_no);

		// ファイル名を指定して関連付けられたアプリケーションを起動
		::ShellExecute(NULL, _T("open"),name, NULL, _T("./capture"), SW_SHOWNORMAL);

	}

	CDialogEx::OnLButtonDblClk(nFlags, point);
}
			

クリック位置が画像エリア内であれば、表示している画像を規定のアプリで開いて 拡大表示するようにしています。

ShellExecute()のパラメータには、フォルダ名とファイル名を分けてそれぞれ設定します。
これで、規定のアプリでビットマップファイルが開かれます。

本アプリは、以下よりダウンロードできますので、良かったら使ってみて下さい。
※ ただし、簡単な動作確認程度しか行っていませんので、お使いになる場合は自己責任でお願い致します。